Kesennuma

音楽のUbgoe vol.2 〜楽曲制作と新曲に込めた思い〜

前回に引き続き今回の『気仙沼とわたし』も、<音楽のUbgoe>と題して、新譜のボーカルレコーディングディレクターを務めていただいた頼れる兄貴・坂本サトルさんとの対談でお届けします。普段の楽曲制作の話題をはじめ、5月28日の気仙沼バル2022(宮城県気仙沼市)、翌29日の松島パークフェスティバル2022(宮城県宮城郡松島町)で初披露された新曲に込めた思いを、ぜひ『きみは、たからもの』を聴きながらお楽しみください。

 

■楽曲制作

育美

サトルさんが曲を作るときは、詩先、曲先? サビから?

 

サトル

俺はほとんどAメロから書くかな。順を追って書く感じ。キャッチーなサビが浮かんで、それを膨らませてというのも昔はあったけど……。あとは、メロディーから作っちゃうと手癖で書いちゃうから、詩から書く。曲によるけど。

 

育美

よくわかります。

私もAメロから書くことがほとんどですね。鼻歌やラララでメロディーを口ずさんでいるうちに、歌にハマる言葉が勝手に降りてくる瞬間があったり、時には適当な英語を歌いながら作ることもありますね(笑)

その後は私も言葉とメロディーを順繰りにつくっていって、ある程度形になってきたら、歌い回しとか言葉の区切りとか細かな部分を直して、最終的にはデモ音源を録音するまでが作業の工程なんですが、今話したこの一連の流れも1回1回録音しながらの作業。ひとりで黙々と地味な作業を繰り返しています(笑)。

 

 

サトル

毎回、1曲1曲実験的に作ったりもするから、これだっていう作り方はないな〜。育美ちゃんも自分の手癖ってあるんじゃない?

 

育美

あります、あります。癖から逃れたい、そこを打破したいというのはありますね。

自分が好むリズムやテンポ、流れ、「らしさ」なのかもしれない部分とかかな。

 

サトル

でも、思いっきり手癖で作っちゃうのも面白いよ。楽曲の制作依頼もあるじゃない? そういうときは、育美ちゃん節が欲しくて依頼してるから、思いっきり手癖でいいと思う。これまでは思いっきり曲に向き合ってやっていたけど、最近はもっと気軽に作っていいかなと思い始めてる。気楽に書いてる中から、何かが生まれることもあるだろうし。新しいものを作り続けるのが大事。

 

育美

JIGGER’S SON(ジガーズサン)の時は、どうしてたんですか?

 

 

サトル

バンドっていうのはスタジオに入ってセッションしながら曲をつくるイメージがあると思うけど、ジガーズサンの場合は、俺が完成形に近いデモテープ作って、それをみんなが演奏するっていうやり方だったの。

 

育美

えー、そうだったの? 全部の楽器? 最初っから、プロデューサーだったんですね。

 

サトル

プロデューサーっていうか、ミュージシャンってざっくり2種類いて、いわゆる録音が大好きで大した録音機材がないような時期から自分で録音とかもやっていた人と、全くそういう経験してない人。俺は録音してた人だから、自然とそうなっていく。多重録音が好きなヤツは、そういう道にいくの。ようは、好きだっただけ。自分の家でこんなことできるんだ、すげーっ!ていう。今だにそう思いながらやってる(笑)。

 

育美

昔からっていうと失礼ですけど、私は85年生まれで、ジガーズサンはその頃からずっと音楽を届けてきたわけですもんね。

 

サトル

92年デビューで、6月でちょうど30周年。同期はミスチル(Mr.Children)、スピッツ、シャ乱Q、イエモン(THE YELLOW MONKEY)とか。イエモンは、レコード会社もデビューの月も全く一緒。

30周年って言っても、もちろん30年続けようと思ってやってきたわけじゃなくて、1年1年必死に頑張って、なるべく遠くにあるものを見て、ああでもないこうでもないってもがいてるうちにいつの間にか30年続いてた、という感じかなー。

 

育美

30年、一線で歌い続けて来られてホントすごいなと思います。私はまだ、ようやく干支がひとまわりしたところ。その間に、結婚し、子どもが3人も(笑)。

 

 

■新曲「きみは、たからもの」

サトル

ソングライターとしての育美ちゃんは見事だし、歌詞に関しても他の人が口出すようなものでもない。ライフスタイルもしっかりしているし。今回の曲も、子育て中のママっていう視点で書いた曲だと思うので、共感してくれる人はたくさんいると思う。

 

育美

私史上、最速で書き上げた楽曲になりました(笑)。どうやって書いたのか覚えてないくらい……。3分くらいで書いた感覚です。実は「きみは、たからもの」は、第三子がまだお腹の中に居た頃に制作していた楽曲なんです(現在は1歳に)。子どもの発想や行動っておもしろいんですよね、お風呂でシャワーを天井に向けて花火!ってやってみたり、昆虫の動きをしばらくじーっと観察したり、雨や雪に喜んだり、最近なんかは流行の歌も娘から教わることが多いです(笑)。今は子ども中心の生活なので曲作りの時間もなかなか思うように取れなかったりするんですが、『今日はここまで』っていう目標をコツコツやっていくとクリアできることも多いんですよ。子育て中のママたちは皆、一緒じゃないかなあ。“悩み”や“あるある”も。「きみは、たからもの」は子育て中のママに限らず、どんな方にも『あなたもお母さんから産まれてきたのよ』っていう楽曲。 いくつになってもお母さんはお母さん。“お母さんの歌”って覚えていただけたらですね。

うちでは「きみは、たからもの」が子どもたちの子守唄になっています。

 

 

サトル

今回は途中参加になったから、次はイチからガッツリ関わっていきたいな。

育美ちゃんがこれまで作りあげてきた熊谷育美像があって、それを好きなファンの人も多いけれど、俺は前から育美ちゃんに言ってるけど、育美ちゃんにはソウルシンガー的なポテンシャルを感じているので、新しい熊谷育美っていうのを試してみたいとは思います。

 

育美

ぜひ、よろしくお願いします!

 

■気仙沼とサトル

育美

最後に、気仙沼でサトルさんの好きなところは?

 

サトル

気仙沼に来る道がすごく好き。一関から来る道もいいんだけど、東北自動車道の花巻ジャンクションから太平洋に向かって、陸前高田から三陸道に入って気仙沼に向かう、という行程。これがまた、ものすごく景色がいいのよー!

あとは気仙沼に友達がいっぱいいるからね。うーん、なんだろうな〜、本当に用もないのに来たいところ。絶妙な距離なんだよね。来たら泊まるしかないし(笑)。

俺にとっては「親戚がいる町」みたいな感じなんだよね。。俺が気仙沼に行くって言っても、周りの人、誰も仕事?とか聞かないもんね(笑)。どっちでもいい。「あ、また気仙沼行くのね」と。なんか定期的に来たくなる町だよね。

でも、やっぱり人かな。気仙沼に行ったら、あの人もいる、あの人もいるって。もちろん育美ちゃんもその一人(笑)。

 

構成・文:藤川典良

取材協力:みしおね横丁 TEN(T)PRISM

 

 

 

 

PROFILE

坂本サトル:1967年青森県南部町生まれ。東北大学経済学部中退。大学在学中に、ボーカル&ギターを担当していたロックバンド「JIGGER’S SON(ジガーズサン)のデビューが決定し、91年上京。翌92年にコロムビアレコードからメジャーデビュー。2001年の解散(2012年に活動再開。現在も活動中。)までにシングル13枚、アルバム9枚をリリース。1999年、デビューシングル『天使達の歌』でソロ活動開始。アーティストへの楽曲提供のほか、サウンドプロデューサーとして多くの作品に参加。制作した音楽や出演した番組が高い評価を得ており、これまでにギャラクシー賞、日本放送連盟賞、仙台広告賞、日本音楽録音賞最優秀録音賞、等を受賞。また、多くのラジオレギュラー番組を担当し、現在は4つの番組が放送中。

この夏、JIGGER’S SONデビュー30周年記念ライブをバンドが結成された仙台で開催する。

 

★2022年08月27日(土)30th Anniversary JIGGER’S SON  Live 2022「30年後のぼくら」

 詳しくは下記オフィシャルサイトまで

オフィシャルサイト www.sakamotosatoru.com

 

 

2022.06.15 配信リリース

『きみは、たからもの』


New Release

2022.07.13(水) 配信リリース

熊谷育美 supported by 坂本サトル

3ヶ月連続配信リリース第二弾

『タイトル後日発表』