Kesennuma

坂本サトル ⇄ 熊谷育美 【音楽的 往復書簡】

坂本サトルさんから3ヶ月連続リリース3作目のDEMO音源と歌詞が届いたのは、2022年8月8日。

3年ぶり、第70回『気仙沼みなとまつり』が開催された翌日でした。

今回の<気仙沼とわたし>は、連続リリースのフィニッシュ3作目を飾る

作詞作曲・プロデュースをお願いした坂本サトルさんと熊谷育美の『音楽的 往復書簡』。

坂本サトルさんはどんな想いで楽曲を創作したのか、

楽曲を受け取ったシンガー・育美は、サトルさんのDEMO音源を最初に聴いた時に何を感じたのか……。

まもなく配信される新曲がまだ育美の血肉になる前の、エピソード0(ゼロ)をお届けします。

 

 


坂本サトル熊谷育美

 

育美ちゃん、tbc夏まつりの時にも少し話したけど、いろいろ考えて悩んで、やっと曲ができました。

テーマは「大人の片思い」です。

育美ちゃんはこの4年間で、お子さん3人のお母さんになってお休みもして、その中で事務所も変わって…と、いろいろあったよね。

復活第1弾は母親としての歌。そして第2弾は、子育てやコロナでなかなか外に出られない状況が続いてるから「旅に出たいね!」という曲でした。どちらの曲も主婦目線というか「家庭」が舞台の楽曲でした。

あの2曲を聴いて感じたのは、生活様式や考え方がどんどん多様化していく現代、『きみは、たからもの』『旅に出かけよう』とは反対側に振った曲が必要だ、ということです。

「母親としての歌、主婦としての歌も歌うけど、恋の歌も歌うのよ!」というのが、今の育美ちゃんに大事な要素ではないかと思うのです。

それを歌うことで、これまでの2曲も違った風に聞こえてくるのでは?とも思います。

当初「育美ちゃんのイメージをガラッと変えるサウンドで!」なんて思ってたけど、それはアルバムとかで冒険すればいいわけで、今回ではないなと。

シングル、しかも3ヶ月連続リリースのラストの曲は、今までの熊谷育美のイメージを壊すことなく、しかしこれまでになかった歌詞の世界観で新たに動き出した育美ちゃんを表現しようと制作を進めています。気に入ってもらえると良いなあ。

 

そうそう、今回、連続リリース3部作と言うことで1作目へのオマージュも入れてます。わかるかな? (笑)

 

これまでにない感じで戸惑うかも知れないけど、今後、育美ちゃんにとって色々と役に立つ歌になると思ってます!頑張って!

キーについては遠慮なく言ってください。

それでは引き続きよろしくです!

 


熊谷育美 → 坂本サトル

 

サトルさん、ありがとうございます!

 

お送りいただいた楽曲、頭も心も空っぽにして、再生ボタンを押す瞬間とてもドキドキしました。

そして何度も何度も、聞き返しました。それにしても、深い楽曲……。

復帰後に発表する新しい楽曲を3カ月連続リリースでという話になった時に、真っ先に頭に浮かんだのがサトルさんでした。

これまで発表してきた過去の作品のこともよく知ってくださっていますし。共同プロデュースという形で『きみは、たからもの』を録ったあとだったかな? みしおね横丁でお話しをした時に、「今回は途中参加になったから、次はガッツリ関わっていきたいな」と言ってくださって……。

「それって曲を書いていただいたりもってこと……ですか……?」

とお聴きしたら、すぐに「いいよ」と言ってくださいましたね。

もちろん自分が書いた楽曲を発表し続けることも大事なことですが、今回の3作品は2022年現在の私を表現する「コンセプト3作品」のような意識がありました。

 

『きみは、たからもの』、『旅に出かけよう』はコロナ禍で経験した(ステイホームなど)暮らしのなかで完成させた楽曲でした。『旅に出かけよう』の歌詞の最後に「あたらしい私にきっと出逢えるわ」とありますが、まさにそれです(笑)。締めくくりの1曲は新しい私に出逢うべく、サトルさんに全てを委ねさせていただきました。

 

サトルさんが私をイメージして書かれる楽曲は一体どんな感じの曲なのか……。

「育美ちゃんっぽくないのも面白いな」って話していましたし、どんな曲が来ても自分のものにして歌うぞと心構えしていましたが「こういう曲が来たか……」って思いました。

 

テーマがまさかの「大人の片思い」だなんて!

まるで短編映画を見ているように、情景がものすごくリアルに浮かんできました。

淡く切ない歌だけど、でも哀しいだけではではなくて、ちゃんと前を向いている。

過去の切ない思い出もやがて自分の糧になっていくんだよと、サトルさんの優しさが垣間見えたような気がしました。

ソングライティングのマニアックな話になっちゃいますが、歌詞も「なるほど〜。こういう書き方さすが!」という箇所がいくつもありました(笑)。

 

この楽曲の世界観をどのように表現したら、私の思いが伝わるのか……。

これも「大人の片思い」なのかな(笑)

今回は、まっさらなシンガーの気持ちです。

サトルさん、レコーディングもよろしくお願いします。

 


 

はじめて育美のもとに、サトルさんが歌うデモ音源が届いてから1ヶ月。

2022年8月15日(青森)と9月2日(仙台)の2度レコーディングを行い、

より完成度の高いものをと、配信日を延期したのは、Facebook等でお伝えした通りです。

すでに曲のタイトルは『Wind has no color』と発表済みでしたが、

何度も繰り返し育美が歌う楽曲を聴くうちに、さまざまなところをブラッシュアップ。

楽曲の世界観、イメージが膨らむタイトルへと『イロナキカゼ』に決定しました。

 

暑かった夏はあっという間に過ぎ去り、暦の上ではもう秋。

“色なき風”は、秋の季語です。

連続リリースの最後を飾る楽曲『イロナキカゼ』はどんな仕上がりになっているのでしょうか。

今しばらく楽しみにお待ちください。

 

PROFILE

坂本サトル:1967年青森県南部町生まれ。東北大学経済学部中退。大学在学中に、ボーカル&ギターを担当していたロックバンド「JIGGER’S SON(ジガーズサン)のデビューが決定し、91年上京。翌、92年にコロムビアレコードからメジャーデビュー。2001の解散(2012年に活動再開。現在も活動中)までにシングル13枚、アルバム9枚をリリース。1999年、デビューシングル『天使たちの歌』でソロ活動開始。アーティストへの楽曲提供のほか、サウンドプロデューサーとしても伊東洋平、熊谷育美、モモなどの作品に参加。制作した音楽や出演した番組が高い評価を得ており、これまでにギャラクシー賞、日本放送連盟賞、仙台広告賞、日本音楽録音賞最優秀録音賞、等を受賞。多くのラジオレギュラー番組を担当し、現在は4つの番組が放送中。

オフィシャルサイト www.sakamotosatoru.com

 

構成:藤川典良

 

【連続配信リリース第3弾 / イロナキカゼ
2022.09.28(水)DigitalRelease 決定‼︎
09.26.アートワーク公開予定