Kesennuma

私のKESENNUMA SONGS
シンガー FRAM × 熊谷育美

 

24年春、<みなと気仙沼大使>の委嘱を受け、気仙沼に来る回数もグッと増えたというFRAMさん。

洗練された都会的な雰囲気を身に纏いながら、生まれ育った気仙沼の風景にもしっくりと馴染んでいます。

熊谷育美とは、異なる音楽性。けれど、根っこのところは同じ。

気仙沼でもっとライブをしたい! と、話題の中心は「で、いつライブする?」

 

◾️音楽の町、気仙沼?!

育美 気仙沼には、大先輩の畠山美由紀さんや、元アンジュルムの佐々木莉佳子ちゃん、ジャズピアニストの岡本優子ちゃん、そしてFRAMちゃん。

実は、ほかにも気仙沼出身のミュージシャンの方ってたくさんいるよね。

 

FRAM 同じ音楽ジャンルで活動してるんじゃなくて、それぞれの分野で活躍してる感じで、いいですよね。

私は作詞作曲もするのでシンガーソングライターだけど、シンガーソングライターってみなさん弾き語りで演奏するイメージだと思うんですけど、私はアニソンも歌ってるしデジタル系も多いので、シンガーかな? 

でも、こだわらず、できることは何でもやっていきたいです。

 

育美 もし、FRAMちゃんと一緒にやるとしたら、どんな風にライブやろうかなって考えちゃう。

 

FRAM うれしい! ぜひぜひ! キメキメのロックも好きですが、私もピアノをやってきたので、バラードも大好きです。

 

育美 生の演奏だと会場の雰囲気や響きも変わってくるので、やっぱり生で聴いてもらいたいよね。でも、ライブどうしよかってあれこれ考えるのが楽しいね!

FRAMちゃんのアコースティック、聞きたいっていうファンも多そうだなぁ。

 

 

FRAM 私の曲は、ボーカルにエフェクトかけてライブをしたりデジタルサウンドが多いんですけど、やっぱり生の声が好きっていう人も多いんです。なので、アコースティックライブを開催できる時は、生の歌声を聴いていただけるようなセットリストにしたいです。

 

育美 ぜひ、やろう! 私、6月と7月に2ヶ月連続で気仙沼・内湾のレストランnineoneさんでライブをやったの。6月は中村マサトシさん&齋藤めぐむさんと、7月にはブルース・カントリーシンガーの田内洵也さんのライブにゲスト出演して、ギタリストの江渡大悟くんとアコースティックセットでやったけど、あれも良かったな〜。

実は6月のライブの時に、FRAMちゃんの神奈川?のファンの方が私のLIVEにも来てくれて〜!FRAMちゃん繋がりで、気仙沼に行ってみたいと思ったって!

 

FRAM うれしい! もっと、もっとファンの方を気仙沼に呼びたいです!

気仙沼はやっぱり優しい雰囲気なので、強いバンドサウンドよりは、海の風景が似合うアンプラグドでアコースティックな雰囲気も合うし、観に来たお客さんもいい思い出になりそう。

 

◾️離れてわかる、地元愛

 

育美 東京に行く前は、仙台にも結構長くいたんだっけ?

 

FRAM 仙台には7年です。専門学校時代にできたバンドで続けていて、そこでできたユニットで1年半活動し、上京しました。

今は、ベーシストのAyanoとのユニット<Unwave(アンウェイヴ)>として音楽活動していますが、FRAMとしてソロでも活動しています。

 

育美 東京はもう慣れた?

 

FRAM はい! 今は、東京に行って良かったって、すごく思います。

東京が怖いっていうイメージや、才能あるなと思っていた友達が東京に行ったけどこっちに帰ってくるのを見て、自分にできるのか不安に思った時期もありました。

けれど、背中を押してくださる方や、活動していくうちに色んな人とのご縁が繋がってきました。今は楽しい!

 

でも、東京にいればいるほど、「あれ? こんなに気仙沼のこと好きだったのか」ってわかってきました。

みなと気仙沼大使に任命していただいて、帰ってくる頻度もグッと増えました。今年はもう4回目!

もっともっと、地元のライブに呼んでもらえる機会も増えたらいいなと思ってます。

 

◾️心にのこる気仙沼の風景

FRAM ソロの– – -HORIZON- – –っていう曲があるんですけど、最初サウンドトラックを聞いた時に、ネイチャーというか壮大なイメージ、水平線に夕陽が沈むような気仙沼の風景が浮かんできました。

この曲は、気仙沼で見た景色を思い浮かべて完成させました。

 

育美 そう思って聴くと、また曲が違って聞こえるよね。

 

FRAM 昨年参加させていただいた“気仙沼サンマフェスティバル”でも、MCで「気仙沼のことを思って作った曲です」ってお話ししてから歌いました。

ライブ後の物販では、「気仙沼のことを書いた曲ってどれですか?」って買いにきてくれて……。

その場所をイメージしやすい曲、地元に寄り添った曲も改めていいなと実感しました。

ユニットで書いた曲やバンドの曲は、聞く人によって捉え方も違う感じの曲を書くことが多くて、歌詞の言葉選びも考えています。

けれど母にも、「誰かに的を絞った曲とか作ったら?」って提案もしてくれて……。でも、それがなかなかできないんですよね〜。

 

育美 私も以前は震災や気仙沼のことを考えると、言葉選びも人にどう捉えられるのか悩んで、枠にとらわれた時期があったの。クリエイティブな面、表現においては本当に悩んだな・・・。

でも、震災から干支が一回りし、コロナでみんな大変な時期を経て、ちょっと解き放たれたような気がするね。私はシンガーソングライターなんだと。そんな自分も楽曲で表現すればいいのかって。そう思えるようになった。

 

FRAM 私も母も育美さんのファンで、2人でどの曲が好きかって話もするんですけど、育美さんの曲で好きなのは『雲の遥か』。

〽負けるなと 負けるなとって繰り返しがすごく響いて……。

誰かに響く言葉、自分の満足で終わらせず、ちゃんと伝わるストーリーにできるように曲を作りたいなと思っています。

優しく包み込むような、その人にしかできないサウンド、すごい魅力ですよね。

 

 

育美 2021年に気仙沼に関わりのあるたくさんのミュージシャンが参加した『KESENNUMA SONGS〜復興の音魂〜』には、私もFRAMちゃんも楽曲提供させていただいたね。

 

FRAM 『KESENNUMA SONGS』に提供した曲『いつか誰かの光になる』は、被災した気仙沼のことを思い、書いた曲で、まだ一度もライブでも歌ったことがない特別な曲です。

『- – -HORIZON- – -』と、この『いつか誰かの光になる』の2曲、私の気仙沼ソングスはご一緒できる機会があったらぜひ歌いたいなと思っています。

 

育美 いいね。ぜひ、一緒に歌いたいね。

 

気仙沼で、歌で、つながる、音楽が大好きな2人。

キラキラと輝く水平線の向こうを目指して。

そして、いつか誰かの光になれますように……。

 

 

撮影協力/ラヂオ気仙沼

写真/スタジオ・アート

構成・文/藤川典良

 

 

<FRAMさん気仙沼おすすめスポット>

「東京から帰って必ず行く場所は、内湾。

1人でいても、誰かと行っても、本当に『ただいま』って感じになります。 

そして、アンカーコーヒーで何か買って帰るっていうのが、私のルーティン。

母の実家近くの岩井崎も思い出深い場所ですね。潮吹き岩のある側の岩場で兄弟従兄弟とよく遊んだな。

小学校の時の野外活動で塩作り体験をした記憶があるんですが、岩井崎に塩づくり体験の建物がありますよね? 

またやってみたくて、気になっています。

内湾から見える、赤い欄干の浮御堂も大好きな景色です!」

 

 

FRAM PROFILE

宮城県気仙沼市出身。シンガー。小1から高3までピアノを習い、作詞作曲も手掛ける。

簡単なメロディーなら耳コピもできる、絶対音感が特技。

仙台の音楽専門学校時代に、音楽ユニットUnwave(アンウェイヴ)を結成。

18年に活動拠点を東京に移し、現在はベーシストのAyaneと2人での<Unwave>のユニットと、ソロ活動も行う。

2019年にUnwaveで、1stアルバム『Combination!』リリース、FRAMのソロで23年にはTVアニメ『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2』 エンディングテーマを含むアルバム『Step For Joy』、TVアニメ『百姓貴族』エンディングテーマ『シアン・イノセンス』をリリース。24年、みなと気仙沼大使に就任。

FRAM official website

 

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